Sheltie



1    Sheltieについて
更新日時:
2005.03.06 Sun.
 
Sheltieとは?
 今回,念願の自作マシンに挑戦することにしました。以前TGminiを製作しましたが,あのマシンはどちらかと言えば“改造”の範囲だと思います。今回はベースマシンなしで,いろいろなマシンのパーツを組み合わせて一つのマシンを作り上げてみようと思いました。
 
 Sheltieは1/12サイズ,一般に言うところのミニサイズのツーリングカーです。TGminiを見ていただければわかるように,私はミニのディメンションが好きで,自作ならミニと決めていました(いずれは1/10サイズに挑戦しようと思いますが)。どうしてミニかと言うと,簡単に言えば面白いからです。1/10サイズに比べ,他の人が絶対持っていないようなマシンを作りやすいですし,変なマシンができてもサイズの所為にできます(笑)。もちろん走りで1/10に勝つことはとうてい無理ですが。メーカーでは,レースで結果を残せるようなマシンしか作ることができません。エントリーモデルにしても,今度は扱い易くなければ製品としては失格です。そういう意味で,今の市場は消費者にとって選択の余地を与えてくれていないように思います。各社とも似たようなレイアウトに落ち着いたシャフト&ベルトマシンばかりで,消費者が選ぶのはメーカーの違いぐらいと言っても過言ではないでしょう(過言かも)。メーカーが作らないなら作ってしまえ!
 
 Sheltieはベルトドライブを採用しています。これも何となくの選択です。何も述べていませんでしたがkingfisherという姉妹車も構想が練られており,こちらはシャフトドライブを採用しています。つまりどっちでも良かったわけです(爆)。かつて,レース界ではベルト車が主流の時期があり,その後TC3を皮切りにセンターシャフトのシャフト車がレース界を独占するようになりました。最近では,各メーカーともシャフト・ベルト車ともに設計の限界に来たのか,両タイプのマシンをリリースするようになっています。ベルト車とシャフト車はともにメリット・デメリットを持っていて,どっちが絶対的に有利かはありません。走行特性が若干違いますので,ドライバーの好みで選んだり,ドライバーの操縦を合わせたり…。結局は操縦者次第ですからね。
 Sheltieの特徴は,そのベルト配置にあります。ベルトは2本ですが,一般のマシンのようにセンタープーリーから前後デフに伝わる配置ではありません。リヤミッドシップにおいたモーターから,モーター後方に配したセンターシャフトに駆動を伝え,ベルトでまずリヤデフを駆動します。リヤデフにはプーリーをダブルで装着し,片方のプーリーから,今度はフロントのデフ(ワンウェイ)に駆動を伝えます。言葉で言ってもピンと来ないかもしれませんが,ASSASSIN2次減速タイプだと思ってくだされば結構です。まぁ,この配置は完全なオリジナルではないのですが,日本では出ていませんし,面白いレイアウトだと思っています。このレイアウトのメリットは,駆動効率を上げることができる点にあります。ベルト車の抵抗は,ベルトとプーリーの接触抵抗はもちろんありますが,その他に,ベルトの曲がり抵抗があります。ベルトの厚さは薄いですが,やはり曲げようとすれば弾性変形するために抵抗が働くわけです。そしてベルトの曲がり具合の曲率半径が小さくなるほど,その抵抗は大きくなります。例えば,曲率半径→0(折り曲げ時)では抵抗が無限になります(実際には折り曲げると塑性変形し元に戻らなくなります)。さて,これがどう関係するかというと,通常ベルト車は,2字減速をベルト+プーリーで行ないます。通常,小径のプーリーは15Tほどで,ベルトの曲率半径はかなり小さくなります。よく出回っている2ベルト車は,センターシャフトの小径プーリーから前後のデフに駆動を伝達しますが,これだと抵抗が大きい箇所が2箇所です。しかし,Sheltieのように小径プーリーは1個にし,他は大径プーリーにすることで駆動抵抗を減らすことが可能なわけです。
 もちろんこのレイアウトにはデメリットもあります。例えば,駆動の掛かり方は,必ずリヤから掛かるようになります。そのため,コーナーの立ち上がりなどでピーキーな挙動が出るかも知れません。また,大径プーリーは駆動効率の点では有利ですが,重量(慣性モーメント)の増加という点ではかなり不利です。とはいえ,所詮自作ですから,とりあえず形になれば,あとはなんとかなります。人間万事塞翁が馬です。このチョイスが良い方に転ぶか悪い方に転ぶかわかりませんが,一回試してその結果から学ぶのも重要だと考えます。
※理論通りに行かないのがこの世界ですが,「気分」は重要です。やる気を起こさせる物作りを目指しています(笑)。
 
名前の由来
 SheltieはShetland SheepDogのことです。この名前は私のすきな犬の種から借りました。シェットランドシープドッグ。コリーの仲間です。顔立ちが良く,利口で,毛のふかふか感も好きです。(残念ながら飼ったことはありません。)
※Shetland PonyのこともSheltieと呼びますが,ここではワンちゃんの方ですので。



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