TA-02S



7    シェイクダウン
更新日時:
2004.08.13 Fri.
8/13いよいよシェイクダウンです。
 今日は,TA-02Sがどんな走行特性を見せてくれるか確かめました。なんたって,駆動系・サスペンションが変わっているので,別マシンと言っても良いぐらい。普通のチューニングのやり方なら,一箇所ずつ改造し,それぞれの効果を確かめるところですが,今回はニューマシン同様のやり方です。といっても,市販のノーマルマシンはテストランし尽くされていますが,自分で改造したマシンでは一回目の走行でどういう走りをするか解りません。少なくとも,キャンバー角の変化は“普通”なので(何が普通?バンプするとキャンバー角が付くから普通),そんなにひどい走りはしないはずです。ちなみにセッティングボードなどは持っていないので,三角定規を当てて,±を見る程度のことしかできません。いつも「何となく」でセッティングしているので,私のセッティングは良い見本にはならないと思います(もうTA-02を使っている人なんてそう多くないから大丈夫だと思いますが)。
 とりあえず,近くの某電気屋さんの駐車場に行って,テストランです。5:30。開店前なので誰もいません。自前のパイロン(紙皿製)を配置して準備万端です。モーターはジョンソンの540モーター,ギヤ比6.44:1,タイヤはHPIの27R+ブルーのインナー(ミディアムハード)です(ホイールはOVA)。ダンパーは,CVAミニの,フロント#1000の一穴にエクストラハードスプリング,リヤ#800の一穴にハードスプリング(スプリングは前後ともTRFダンパー用のやつ)です。なぜか,フロントをハードにするのが好きなんです(パーキングロットだからかなぁ)。
 さて,実際の走行ですが,まず感じたのが駆動系の軽さ。もちろん,以前のTA-02と比較しての感想ですが,加速は軽い気がします。ギヤのナロー化より,オイルスプレーが効果を発揮している感じ。スクワットのボールベアリングも,少なからず値段の効果があると思います。軽量ドライブシャフトの効果も?コーナリング特性は,予想に反して(?)かなりマイルドです。基本的にアンダーステアですが,フロントワンウェイのおかげで,低速域では以前よりよく曲がります。ただ,高速域になるとだんだんアンダーが強くなり,はっきり言って曲がりません。一パック走行させて,タイヤを見てみると,フロントタイヤはパーティングラインが消えるほどすり減っているのに対し,リヤはほとんどすり減っていません。つまり,リヤのメカニカルグリップが高くて,逆にフロントは滑りまくってると言うこと(でしょうか)。リヤのメカニカルグリップが上がったのには,アッパーアームの取り付け位置がちょうど良かっただけでなく,重心位置が後ろに下がったことが原因だと思われます。TA-02ノーマルは,リヤサスアームが後ろ側に延びるような格好で付いていますが,TA-02Sでは,まっすぐ横に延びるようになっています。実際,前後の重量バランスは,ノーマルのTA-02が45:55ぐらいなのに対し,TA-02Sは40:60ぐらいです。同じくTA-02に対して相対的にリヤヘビーとなるTA-01やTA-02SWなどが,どんな走りをしていたのか知りたいところです。また,フロントキャスター角の減少も,アンダーに関係しているはず。初期の切れ込みは,フロントワンウェイと相まって,スッと入っていくのですが,なにせパーキングロットなのでグリップが稼げません。
 以前の仕様では,リヤのグリップをマイルドにするため,キャンバー角が大きく変化するように,アッパーアームの取り付け位置を変更していました(同時に,ロールセンターも変わるので,理論的にどの影響か断言できないが)。ノーマルのフロントキャスター角では,コーナー後半でフロントはかなり粘るのですが,リヤが不意に巻いてしまったので,キャンバー変化を大きくし,徐々にグリップ感を減らしていくようにしていました。つまり四輪ドリフトのような形で,コーナーを抜けていくというドライビングスタイルだったわけです。ただ,そのセッティングは高速コースでは有利なのですが,低速コーナーが続くコースになると,リヤが滑る・滑らないの速度域(重心移動の仕方とかも)の判断が難しく,結果としてアンダーか,勢い余ってスピンか,になってしまいます。そう言う意味では,今回は今のリヤのグリップを保ったままのセッティングで行きたいと思っています。
 540モーターで3パック走行させたあと,モーターをアクトパワーツーリングSPモーターに積み替えました。ギヤ比が少し低すぎる気もしますが,最高速ののびは十分です。TB-02を買った友人が「最高速はわかんないけどこないだのNSXと加速が同じぐらいなような・・・。」と言っていたのですが(こないだのNSX=アクトパワーのTA-02),確かに540モーターの方が加速がよく感じます。実際,アクトパワーでのタミヤ推奨ギヤ比は7.31:1ですから。モーターには悪いことをしています。さて,最高速が速くなった分,限界域にすぐ到達するので,マシンの特性を把握するのにはもってこいです。まず感じるのが「ドアンダー!」スロットルオンで,ほとんど曲がらなくなります。ヘアピンカーブは,ブレーキと同時にスピンターンで抜けなければならないほど。これほどのアンダーステアになるときついです。マシンは,ロングスパンサスアームになったせいか,コーナリング中でも相当安定しています。その中にも,ショートホイールベースの恩恵できびきび感もあります。そこら辺は,ねらい通りになっているので,全体的なできとしては100点をあげてもいいでしょう。
 最後に,フロントとリヤのダンパーを交換してみました。リヤに対してフロントを柔らかくします。しかし,ハードとエキストラハードの違いを体感するのは難しく,アンダーステアも改善されませんでした。むしろ,操縦しにくくなった感じもあります。TA-03RSなどは,やはりフロントソフトのセッティングですから,TA-02Sもその方向で進めるべきでしょう。
 
 今回の走行は,NSXのままで行ないました。というのも,MR-Sが完成していないので。リヤタイヤがホイールアーチ内に入ってしまいますが,NSXのリヤはワイドトレッドなので干渉しないです(NSX2002はナローだったかな?)。MR-Sにしたら,また走行特性が変わるかもしれません。よく曲がるダッジストラトスもいずれ試してみようかなぁ。
 タイヤは,変摩耗は見られませんでした。フロントのアライメントもそれほど悪くはないはずです。やはり重心位置の問題が一番でしょう。自作シャーシで重心位置を変えるのが一番手っ取り早そうです。タイヤも,もう何セットかテストする必要がありそうですね。



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